岩波文庫の「君たちはどういきるか」という小説が面白かった話。
むかしむかし、茶系統の夕飯が多い我が家の食事に対して、少しでも色合いが良くなる様に内職に勤しんでいた、わたしがいました(今も?)
ささやかな収入を家計の足しにしたいが為、転売に手を出していた時があったんです。
転売と聞こえがいいようですが、単なる「せどり」です。
実家から、ブックオフが4軒以上も近郊にあるという、恵まれた環境に住んでいたので、おのずと「せどり」に手を出す様になりました。
ただね…ブックオフ店内で、経験がある方は分かると思うのですが、携帯(スマホ)で本の価格をチェックするのは結構、恥ずかしいんですよね…。
だから、わたしは店内で利益が取れそうな本を事前に暗記して、ブックオフの100円コーナーをかたっぱしから、漁っていました。
当然、価格を暗記する本は絞っていました。まさか、ジャンルを絞らずに利益が取れそうな本の価格を覚えるなんて芸当は出来ませんので。
価格を暗記して、専ら利益を叩き出していた本は「岩波文庫」の本でした。
「岩波文庫」から出版された本は、利益は薄いですが、ブックオフの100円コーナーによく置いてあり、また、結構な頻度で捌けていたんですよ。
特に海外の翻訳本は、いい値段が付きました。そして、販売も徐々に軌道に乗ったので、仕入れの量も増やしていったんです。
ところが、だんだん「岩波文庫せどらー」が増えてきて、あんまり仕入れても売れなくなっちゃったんですね。
簡単でオイシイ商売は、すぐに競争過多になるのは当然ですからね。
結局、売れ残った大量の岩波文庫の小説は捨てるのも勿体ないので、興味がありそうな本だけ残し、後はブックオフに二束三文で売り、売れないのは封印しました。
興味がありそうな本は一通り目を通しました。でも、哲学関係の本は途中で挫折しました。
哲学の本を読んで理解した事は「昔の人って、凄かったんだなー」と何が凄いのかもよく分からないけど、そんなみっともない事を思った次第です。
そんな中、唯一、難解な岩波文庫の本で「君たちはどう生きるか」という本だけは、興味を持ち読破する事が出来たんです。
この本を読んで、まさに自分がどう生きるべきか?その日の相変わらず、煮物とか茶系統のおかずが多い夕食で、家族に熱弁を奮う、おバカなわたしがいました。
食っちゃ寝を繰り返し、怠惰な癖にダイエットが上手くいかないとか、甘ったれた事をヌカす、出来の悪い学生の妹には特に厳しく当たりました。
何でも飽きっぽいわたしですが、影響されやすいのも事実です。
さて、その内容についてですが、多分、このブログを読み影響される方は皆無だと思いますので、触れていきたいと思います。
この本の素晴らしいところは、人間として「偉い人」とはどんな人か?
-人類の時の流れに対して、進歩を促した人。
そして、「人間として、生きるという事で最も心が痛む事」とは何か?
-自分が干渉出来る範囲で、本当にとりかえしのつかない事をしてしまった事。
深く心をえぐられました。心の奥底でなんとなく分かっていることを的確に文章に起こされているので、深く共感しました。
大分、長く書いてしまいましたが、もし気になった方は読んでみて下さい。